現代のサッカーにおいて、戦術やシステムは個々の選手以上に重要な役割を担います。なかでも基礎となるのがフォーメーション。
この記事では日本代表やマンチェスターシティ、リバプールなどでも用いられるポピュラーな「4-3-3」フォーメーションについて、特徴や長所、短所を解説します!
そもそもなぜフォーメーションが重要?
現代サッカー=陣取り合戦
数十年前に比べて格段にレベルアップしている現代サッカーでは、どのポジションの選手も能力が高く、ひとりが3人4人を交わしてゴールを決めるのはどんどん難しくなっています。
必然的に複数人で攻撃/守備をするわけですが、この際に重要なのが相手よりも人数が多いことーいわゆる「数的優位」ーです。
相手よりも人数が多ければパスコースが空き、守備では複数人で挟み込めて、その「陣地」(エリア)を制圧できます。
この「数的優位」「陣地の制圧」をピッチ上のどこで、どのタイミングで作るかが勝敗を分けるのです。
そして、その目的に最適と思われる型で人を配置するのが「フォーメーション」です。
4-3-3|どんなフォーメーション?
攻守にバランスが良い配置
4-3-3は4枚のDF、3枚のMF、3枚のFWからなるフォーメーション。
各エリアに人数がそろい、攻守にバランスの良いオーソドックスな配置です。
アンカー(DMF)、センターハーフ(CMF)が上下左右に動いて位置を変えることで、戦況に合わせて攻撃/守備の比重を変えやすいのもポイント。
チーム
日本代表🇯🇵
マンチェスター・シティ🏴
リバプール🏴
バルセロナ🇪🇸
レアル・マドリード🇪🇸
監督
ペップ・グアルディオラ🇪🇸
ユルゲン・クロップ🇩🇪
カルロ・アンチェロッティ🇮🇹
4-3-3|長所・短所
長所:中盤の3枚が攻守に厚みをもたらす
・前線へのサポートが多く分厚い攻撃ができる
・ビルドアップの形が作りやすい
・プレスをかけやすい
4-3-3の長所は、中盤の3枚の動き次第で攻守に厚みを持たせられること。
攻撃時には、インサイドハーフがFWの3枚に近い位置でサポートに入ったり裏に抜け出して数的優位を作り出します。
また、ビルドアップではDFからMFへのパスコースを常に複数確保。中盤が2枚のフォーメーションだとコースがひとつだけというシーンが多くなりがちです。
守備では、相手へのプレッシングの際にインサイドハーフが高い位置をとれば、相手の数的優位を脅かしボールを奪いやすくなります。
引いて守る場合もCFを残して4-5の2ラインでガッチリ守ることも可能。
短所:中盤の負担が大きく人を選ぶ
・インサイドハーフのハードワークが不可欠
・アンカー横のスペースを使われやすい
4-3-3はうまく扱えば強力なシステムですが、中盤の選手の質によっては機能しないことも。
インサイドハーフは広大なエリアをカバーする運動量を求められ、さらに攻守両面で技術が高くないと務まりません。
また、アンカーには最終ラインの手前でボールを刈り取る守備能力やパス能力、自身の両脇にあるスペースをケアするポジショニングや連携のセンスが必須です。
4-3-3|可変システムのパターン
やや応用編ですが、4-3-3が試合中に変化してできるフォーメーションもみてみましょう。
現代サッカーでは、試合中に相手を出し抜くために陣形が変わるのが当たり前。とくに4-3-3は、戦況に合わせて配置を変えて対応するパターンが豊富です。
※わかりやすく両サイドが対称な配置を紹介していますが、実際には左右非対称や一部だけが変化することも多いです。
相手を自陣に押し下げたときに分厚く攻撃するための配置。
サイドバックが高い位置で起点を作り、WGは内側に。5枚の前線とCMFで数的優位を作ります。
センターバックに対して2トップのマンツーマンで対応された時に、ビルドアップの枚数を増やす形。「ダウンスリー」とも呼ばれます。
代わりにCMFが低い位置に落ち、サイドバックが高い位置を取ります。
↑の3-4-3に近い形。
CMFの代わりにSBが中盤に入る「偽サイドバック」のパターン。
CMFは高い位置を取り、チャンスメイクやフィニッシュに参加します。
CFがやや低めの位置に降りて「偽9番」としてボールをさばき、空いた裏のスペースにWGが走り込む形。FWがマンツーマンぎみに対処されている際に有効です。
また、守備では中央からのゲームメイクを妨げるのに適しています。
フォーメーションを理解するとサッカーはもっと楽しい!
サッカーを見るときはどうしても選手を中心に見がちですが、フォーメーションを理解してみるともっと楽しみ方が広がります。
今回紹介した「4-3-3」は多くのチームが使うシステム。最近は日本代表も使っていて目にする機会も多いはず。次に観戦する時に注目してみましょう。
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